電力自由化の知識とメリット

最終更新日 2024年3月27日

電力

電力自由化とは?

電気事業の新規参入を促進する電力自由化は、事業者や消費者にもメリットがある仕組みです。
この仕組は、名前の通り電力の流通を自由化するものなので、市場競争が発生して価格が低下する結果に期待できます。

独占されていた市場に、風穴が開く革新的な変化ですから、期待値は高く消費者からも注目を集めています。
どの程度の自由化が行われるかは、国ごとの事情や電力供給状況によって違いますが、日本では割と高い自由度が追求されている傾向です。

太陽光発電で余った電力を、売電という形で販売できますから、そういった部分だけでも魅力があるといえるでしょう。
電力自由化の考え方の基本は、企業や個人を問わず、電力を提供する事業者になれることです。

例えば、今まで電気とは無縁だった企業が参入できたり、ガス会社や水道会社なども売電に乗り出せることを意味します。
企業にとっては、事業の幅が増えて経営の可能性が広がり安定性が向上できるので、見逃せない魅力的なチャンスに変わっています。

太陽光発電システムを導入していない個人には、あまり利点がないと思われがちな電力自由化ですが、実は事業者を選べるメリットがあります。
供給事業者を選択して契約が結べる、小売の自由化が消費者のメリットに結び付きます。

突然電気の供給がストップしてしまうような心配は皆無

従来は、地域の電力会社から電気を買うしかありませんでしたが、自由化が解禁になったことで選択肢が増えているわけです。
勿論、電力の供給実績は電力会社に一日の長があるので、新規参入の新興企業に不安を覚えるのは無理もないでしょう。

しかし安定供給の仕組みが考えられていますから、突然電気の供給がストップしてしまうような心配は皆無です。
ガスや水道など、他の事業で実績がある企業を選べば、こういった不安を取り除くことができます。

どのような新しい仕組みや市場の登場でも、一時的に大きく盛り上がって落ち着くのが定番です。
電力自由化市場においても、淘汰が進み優れた供給事業者だけが残り、お得で質の高い電力が供給される未来に期待が持てます。

競争原理で料金がお得になることは、以前から言われてきた内容で、日本でもそれがメリットだと考えられます。
従来よりも料金が下がる理由には、独占状態が解消されたり価格競争が始まるだけでなく、送配電網の自由化や競争環境の促進にもあります。

電力自由化による試みは、発電と小売の自由化や消費者の選択肢増加に留まらず、誰もが送配電網を使える状況の実現も含めて行われます。
これまでの電線や配電網は電力会社の物でしたが、自由化の解禁に伴って誰でも自由に使えるようになっています。

当然ながら、配電網を利用する際に料金は発生しますが、そのような部分も含めて電力を提供する方法の自由度が向上します。
発電方法にも自由がありますし、供給方法やルートの選択肢と併せ持って、文字通り自由化が実現する結果に至ります。

今まで専売で市場を独占してきた電力会社にも新しいメリットがある

ここまで大幅に仕組みが変わってしまうと、電気専門の電力会社にはデメリットしかないと考えられるでしょう。
ただ、今まで専売で市場を独占してきた電力会社にも、新しいメリットが与えられます。

それは発電と送電の分離で生じる、事業の分割や分業による競争環境の改善や促進です。
電力会社は発電や送電を一手に引き受けていましたが、今後は事業ごとに細分化できるので、より細かな経営が始められることになります。

競争に巻き込まれるのは間違いないものの、経営の自由度が高まるのも本当ですから、硬直していた市場に変化がもたらされるはずです。
仕組みが変わったからといって、直ぐに結果が出るとは限りませんが、少しずつ変化が起きて想定されている状況に近付いている様子です。

将来的に電気料金がもっと下がる可能性が生まれたので、消費者にもウィンウィンとなり得る変革です。
電力自由化の取り組みは、海外ではいち早く始められていて、ヨーロッパは特に関心が高く実績もあります。

日本に近いアジアの国々でも日本と同じく自由化に取り組んでいる

アメリカは州ごとに違いますが、既に自由化している州も少なくはなく、取り組みの成否を占う市場となります。
中国や韓国など、日本に近いアジアの国々でも日本と同じく自由化に取り組んでいます。

中国は自由化を達成済みですが、韓国では見直しが行われているので、国によって判断が大きく違うのが特徴です。
独自に取り組んでいる日本では、十分に検証を行い計画を練って実現に移行していますから、失敗する恐れは小さく他の国々からも注目が集まります。

自由化のペースはややゆっくりですが、一つずつ段階的かつ着実に進められます。
発電事業者の新規参入や、一般家庭での自由な購入が実現しているので、かなり進んでいる段階にあるといえます。

電気料金の低下は現れ始めていますから、自由化の進捗状況が進んだり、100%を達成した後も期待させてくれるでしょう。
当たり前に供給されてきた電気が、自ら選んで買えるようになったことは、それだけでも意味があって仕組みを考える切っ掛けにもなります。