バランスシート・レンディングについて考える

経済

最終更新日 2024年3月27日

融資を受けるには審査を通過するための準備をする必要がある

ビジネスを円滑に進めていくためには、銀行などの金融機関から融資を受けることが欠かせません。
融資のことを考える場合、どのくらい借り入れることができるのかを意識することになりますが、金額以外にも考えなければならないポイントは多いです。

やみくもに融資の申し込みをしてしまうと、審査で却下される可能性があるため注意しなければなりません。
どの金融機関に申し込んだ場合であっても、審査が行われないということはないので、必ず審査を通過するための準備をしなければならないのです。

また、融資の方法も1つに限られていないため、どのような形で融資を受けるのかについてもしっかりと考えておく必要があります。
ビジネスの進め方などによって、利用する融資の方法も変わってくるのです。

周りの人がどのように融資を受けているのかを確かめることも大切ですが、同じようにすれば成功するとは限りません。
自分がやろうとしているビジネスに適した形が何なのかを確認することが欠かせないのです。

マーケットプレイスレンディングとバランスシート・レンディングの違い

インターネットを活用するビジネスが注目を集めるようになっているため、融資について考える際もインターネットを無視することができません。
当然のことながら、融資というのは貸し手と借り手が存在していて、双方の思惑をマッチさせることが不可欠です。

とりわけ注目されているのは、マーケットプレイスレンディングと呼ばれるものと、バランスシート・レンディングと呼ばれるものの2種類だといえます。
どちらも同じようなものだと思われがちですが、きちんと違いを理解しておくことが大切です。

前者はオンライン上にあるプラットフォームで、貸し手と借り手のマッチングを行うサービスのことを指します。
銀行などで行われている融資とは異なり、ここでの貸し手は投資家、借り手は資金需要者のことです。

後者のタイプは、文字どおりバランスシートを活用して行うものになります。
融資におけるデフォルトリスクを自分の会社で負うところが大きな特徴です。

バランスシート・レンディングが注目を集めている理由

なぜバランスシート・レンディングの方が注目を集めているのかというと、マーケットプレイスレンディングでは資金を集めるのが難しいケースがあるからだといえます。

たとえば、短期間で資金繰りを行うための資金を集めたい場合などです。
この分野では、データをしっかりと分析し、きちんと期間を定めて融資を行うのが一般的だとされています。

オンラインでの資金調達を考えておくことは、さまざまなビジネスを効率よく進めていくためには非常に重要です。
いつでも銀行などの金融機関で十分な資金調達をすることができるとは限らず、なかなか資金が集まらない場合も考えられます。

そのようなときに、金融機関以外の方法を知らないのではビジネスが停滞してしまいます。
資金を調達する方法は、できるだけ多く知っておくことが大切です。

高額の融資をするためには徹底的な審査を行うことが不可欠

低金利が続いている時代は、融資市場にとっては追い風の状況だといえます。
そのため、融資を受けたいと考える側にとっても追い風となり、積極的に融資を受けようとする場合があるのです。

しかし、融資を受けたいからといって望みどおりの融資が受けられるわけではありません。
金融機関の側にとっては、融資をした分が確実に戻ってくる保証がないとすれば、安心して貸し出すことはできないわけです。

金利が低い状況においては、高額の融資をしなければ金融機関が得る利益も小さくなります。
高額の融資をするためには徹底的な審査を行うことが不可欠なので、どうしても融資が受けられない会社が出てくるのです。

バランスシート・レンディングはITをうまく活用できている

貸し手と借り手のニーズを上手にマッチングさせることができるバランスシート・レンディングを利用することで、スムーズに融資が行われるようになることが期待されています。

さまざまなデータを分析することになるわけですが、分析を効率的に行うことが可能になれば、必然的に時間短縮にもつながり、融資自体が効率的になるのです。

分析や審査が効率的になる理由としては、人間の手によって行うのではなく、ITをうまく活用できるという点が関係しています。
途中の審査はもちろん、融資の申込を受け付ける段階から貸し出しを実行するに至るまで、あらゆる部分でITの力を積極的に活用することが大切です。

バランスシートを活用した融資は日本においても拡大していく

日本においては、決算書を見ながら融資の審査を行うことが多いとされていました。
この方法でも十分な審査ができ、きちんと融資が実行されることはあったのです。

しかし全てのケースで成功していたとはいえず、失敗を繰り返してきたのも事実だといえます。
その点、アメリカを中心に行われるようになっているバランスシート・レンディングでは、従来型の融資よりも成功する可能性が高まるのです。

バランスシートを活用した融資は、日本においても拡大していくことが予想されています。
法律で定められている金利の上限があるため、日本で急速に拡大することは考えにくいですが、グローバル化する世界でビジネスを営む上では、仕組みを理解しておくことが不可欠です。