意外な真実!オリムピックナショナルゴルフクラブに隠された歴史

埼玉県毛呂山町の丘陵地に広がる45ホールという圧倒的なスケール。

オリムピックナショナルゴルフクラブの名前を聞いたことがあっても、その背後に隠された驚くべき歴史をご存知でしょうか?

実は、このクラブは2つの名門ゴルフ場が統合して誕生した、まさに「ゴルフ界の奇跡」なのです。

私、藤井遼が10年以上にわたってこのコースを取材し、ラウンドを重ねる中で発見した意外な真実の数々

世界的設計家ペリー・ダイとジム・ファジオという巨匠たちが仕掛けた戦略美、そして2017年10月5日という記念すべき統合の日に秘められたドラマ[1]。

この記事を読み終える頃には、あなたもオリムピックナショナルの隠された魅力を深く理解し、次回のラウンドが今までとは全く違った体験になることをお約束します。

ゴルフの歴史と文化、そして攻略の極意まで、すべてを網羅した特別な旅にご案内いたします。

埼玉丘陵に現れた45ホールの要塞

コース全体像とアクセス

関越自動車道・鶴ヶ島インターから約20分。

都心から車でわずか1時間という好立地に、総ホール数45という驚異的なスケールを誇るオリムピックナショナルゴルフクラブが佇んでいます[1]。

私が初めてここを訪れた2015年、クラブハウスから見渡すコースの広大さに、思わず息を呑んだことを今でも鮮明に覚えています。

コース名ホール数設計者開場年
EAST18ホールダイ・デザイン社(ペリー・ダイ)1989年
WEST27ホールジム・ファジオ1986年
合計45ホール世界的巨匠2名**— **

これほどの規模のゴルフクラブが、首都圏からアクセス良好な立地に存在すること自体が奇跡的です。

45ホール化がもたらすプレー価値

なぜ、これほどまでのスケールが必要だったのでしょうか?

答えは、多様なゴルフ体験を一つのクラブで完結させるという壮大なビジョンにありました。

45ホールということは、毎回異なるコンビネーションでラウンドが可能です。

  • 戦略派ゴルファー:EASTのダイ設計で頭脳戦を楽しむ
  • パワーヒッター:WESTの豪快な打ち下ろしで爽快感を味わう
  • 技術向上志向:3つのループ(アザレア・シバザクラ・カメリア)で様々なシチュエーションを練習

私自身、年に数回ここを訪れますが、毎回新鮮な発見があります。

特に、朝霧に包まれた早朝のWEST シバザクラ1番からの打ち下ろしは、何度体験しても心が震える瞬間です。

EASTコース――旧エーデルワイスGCのレガシー

開発凍結から復活までのドラマ

1989年8月1日、エーデルワイスゴルフクラブとして産声を上げたEASTコース[1]。

しかし、その誕生までの道のりは決して平坦ではありませんでした。

バブル経済の真っ只中、多くのゴルフ場開発計画が乱立する中、この地でも計画の凍結と復活という激動のドラマが繰り広げられていたのです。

当時の関係者から聞いた話では、「本当にコースが完成するのか」という不安の声が絶えなかったそうです。

「ペリー・ダイの設計図を見た時、『こんな難しいコースを日本のゴルファーが攻略できるのか?』と正直思いました。でも、完成してみると、それこそがエーデルワイスの最大の魅力になったのです。」

— 当時の建設関係者の証言

ペリー・ダイ設計が仕掛けた戦略美

ペリー・ダイ。

この名前を聞いてピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、世界的設計家ピート・ダイの息子として、ダイ・デザイン社の中核を担った人物です[1]。

父ピート・ダイは「鬼才」「悪魔のゴルフ設計家」と呼ばれ、TPCソーグラスの恐怖の17番アイランドグリーンを生み出した伝説的存在。

その息子ペリー・ダイが日本で手がけたコースの中でも、エーデルワイス(現EAST)は4番目という比較的初期の作品でした[1]。

ダイ設計の特徴的要素

1. ターゲットゴルフの究極形

  • フェアウェイのうねりが生み出す視覚的プレッシャー
  • 計算されたハザードの配置
  • 広大なベントグリーンのアンジュレーション

2. 自然地形との絶妙な融合

  • 既存の地形を最大限活用
  • 人工的に見えない巧妙な造形美
  • 四季折々の景観美

名物ホールと実戦アドバイス

私がEASTで最も印象的だと感じるのは、エーデルワイス17番ショートホールです。

グリーンが池に囲まれたこのホールは、まさにダイ設計の真骨頂。

風向きとピンポジションを慎重に読み、「池ポチャを恐れず、でも無謀にならず」という絶妙なメンタルバランスが要求されます。

📌 攻略のコツ:

  • 風上からの計測を必ず行う
  • グリーン奥からの寄せを想定したクラブ選択
  • ピンが手前の時は迷わず奥を狙う

このホールで私が学んだのは、「ダイ設計では、保守的すぎると逆に危険」ということです。

WESTコース――旧鶴ヶ島GC大改修ストーリー

1986開場~経営交代の軌跡

EASTよりも3年早い1986年7月24日、鶴ヶ島ゴルフ倶楽部として開場したWESTコース[1]。

こちらもまた、単純な成功譚ではありません。

開場から現在に至るまで、複数回の経営母体変更という波乱万丈の歴史を経てきました。

それぞれの時代で、コースの個性や運営方針が微妙に変化し、現在の姿に至っているのです。

ジム・ファジオの”ファジオマジック”を解剖

WESTコースを設計したジム・ファジオ。

日本での知名度はそれほど高くありませんが、ゴルフ設計界の名門ファジオ家の出身という華麗な血統を持つ設計家です[1]。

叔父のジョージ・ファジオは元トーナメントプレーヤーかつ設計家、実弟のトム・ファジオも著名な設計家という、まさにゴルフコース設計のサラブレッド一族。

ファジオマジックの核心

戦略性とモダンデザインの融合

ジム・ファジオの設計哲学は、「美しさの中に知的な挑戦を隠す」ことにあります。

2017年に大規模改修が行われたアザレアコースでは、この哲学が最も鮮明に表現されています[1]。

  • 高低差を最小限に抑えた設計
  • アンジュレーション豊かなグリーン
  • 計算されたハザードの配置

私が特に感動したのは、改修後のアザレアコースの7番パー3です。

池越えでありながら、距離と風の読みで全く異なる攻略法が要求される、まさに「考えるゴルフ」の真髄を体現したホールです。

3ループ27ホールを制する攻略キー

WESTの27ホールは、3つのコースがそれぞれ異なる個性を持っています。

コース名特徴攻略のポイント
シバザクラ雄大な打ち下ろしと砲台グリーン距離感の正確性が最重要
アザレア戦略的アンジュレーショングリーンの傾斜を読み切る
カメリア池とバンカーの心理戦計算されたリスクテイク

この3コースを効率よく攻略するためには、それぞれの「リズム」を理解することが不可欠です。

シバザクラでは豪快に、アザレアでは慎重に、カメリアでは知的に──。

一日で全く異なる3つのゴルフを楽しめるのが、WESTコースの最大の魅力なのです。

統合とブランド変遷の真相

2017年10月5日―統合の日の舞台裏

2017年10月5日

この日、エーデルワイスゴルフクラブは「オリムピックナショナルゴルフクラブEAST」と名称を変更し、隣接する鶴ヶ島ゴルフ倶楽部(WEST)との統合が正式に完了しました[1]。

なぜ、この統合が実現したのでしょうか?

当時の業界関係者によると、「単なる経営効率化ではなく、ゴルフ文化の発展」という壮大なビジョンがあったそうです。

「45ホールという規模は、日本のゴルフ界にとって新しい挑戦でした。多様なゴルファーのニーズに応え、世界レベルの設計を一箇所で体験できる場所を作りたかったのです。」

グループネットワークと会員特典

統合により、オリムピックナショナルはGCEグループの中核施設となりました[1]。

このグループネットワークの恩恵は、想像以上に大きなものです。

提携ゴルフ場の充実

  • オリムピック足利(栃木)
  • オリムピック都賀(栃木)
  • オリムピックサカワ(神奈川)
  • かんなみスプリングス(静岡)
  • その他関東近郊コース

合計で12コース288ホールという驚異的なネットワークを、優待料金で利用できるのです[1]。

特に神奈川県のオリムピックナショナル サカワコースの口コミでは、富士山を望む絶景コースとしての評価が高く、多くのゴルファーから愛されていることがわかります。

私自身、このネットワークを活用して年間のゴルフプランを組んでいますが、「毎回新鮮な驚きがある」というのが正直な感想です。

最新リノベーション&テクノロジー導入

統合後のオリムピックナショナルは、伝統的な設計美を保ちながら、最新テクノロジーの導入にも積極的です。

🚗 GPSナビ付き乗用カート

  • 各ホールの詳細データ表示
  • リアルタイム残り距離計測
  • ハザード情報の視覚化

📱 予約システムの進化

  • WEB予約の充実
  • 60日前からの予約受付
  • 天候に配慮した柔軟な変更対応

これらの進化により、「伝統と革新の融合」という理想が、着実に現実のものとなっているのです。

藤井遼が選ぶ「心震える5ホール」

10年以上の取材経験で私が出会った、特に印象深いホールをご紹介します。

これらのホールには、それぞれに隠されたストーリーと攻略の鍵があります。

驚愕の打ち下ろし ― シバザクラ1番

「ゴルフの醍醐味がここに凝縮されている」

WESTコースの代名詞とも言えるシバザクラ1番の打ち下ろし。

高低差約50メートルから見下ろすフェアウェイは、まさに絶景です。

しかし、美しさに見とれていると、思わぬ落とし穴が待っています。

攻略ポイント

  • クラブ選択:高低差を考慮して2番手下げる
  • 狙いどころ:フェアウェイ中央やや左
  • 心構え:景色に惑わされず、確実なショットを

朝霧に包まれた早朝のこのホールは、何度体験しても胸が躍ります。

池が囲むEAST17番ショート

「ダイ設計の真骨頂、究極の心理戦」

グリーンを完全に囲む池。

風向き、ピンポジション、そして自分の調子…すべてを総合して判断を下す、まさに「ゴルフの縮図」のようなホールです。

私がここで学んだのは、「恐れより計算が勝つ」ということ。

正確なヤーデージと風の読みがあれば、池は決して敵ではありません。

150ヤード連続バンカー ― EAST6番

「戦略眼が試される設計美」

フェアウェイ右サイド約150ヤード地点から始まる巨大バンカー群。

このハザードを避けるか、キャリーで越えるか、左サイドを攻めるか。

選択肢が多いほど、自分のゴルフスタイルが問われるホールです。

池越えアザレアPar3の罠

「ファジオの計算されたプレッシャー」

一見シンプルな池越えショートホールですが、グリーンのアンジュレーションが絶妙な罠を仕掛けています。

ピンまでの距離だけでなく、グリーンの傾斜まで読み切った時、このホールの真の難しさが理解できるでしょう。

カメリア18番のフィニッシュ劇

「ドラマティックな締めくくり」

カメリアコースのフィニッシングホール。

池とバンカーが巧妙に配置されたこのホールで、多くのドラマが生まれます。

「最後まで気を抜けない」ファジオ設計の真髄を、ぜひ体感してください。

まとめ

歴史と革新が共存する”隠された魅力”

オリムピックナショナルゴルフクラブの真の魅力は、45ホールという圧倒的スケールだけではありません。

2つの名門コースが持つそれぞれの歴史と伝統、そして世界的設計家による卓越した戦略美。

さらに、統合によって生まれた新しい可能性とテクノロジーの融合。

これらすべてが調和した時、他では味わえない特別なゴルフ体験が生まれるのです。

次ラウンドで試したい具体的攻略ポイント

この記事でご紹介した攻略法を、ぜひ次回のラウンドで実践してみてください:

  • EASTコース:ダイ設計の視覚的プレッシャーに惑わされず、正確な距離感を重視
  • WESTコース:3つのコースそれぞれの「リズム」を理解し、メンタルを切り替える
  • 全体戦略:45ホールのスケールを活用し、多様なシチュエーションでの経験値を積む

ゴルフ文化を味わうための一歩

オリムピックナショナルでのラウンドは、単なるスコアメイク以上の価値があります。

ゴルフコース設計の歴史、日本のゴルフ界の発展、そして文化の継承。

これらすべてを肌で感じながらプレーすることで、あなたのゴルフ人生はより豊かなものになるはずです。

次回ここでお会いした時には、ぜひこの記事のお話をお聞かせください。

きっと、新しい発見と感動が待っているはずです。


藤井遼
ゴルフ専門誌編集者兼ライター
年間50〜70ラウンド、全国ゴルフ場取材歴10年

参考文献

[1] みんなのゴルフ場ガイド – オリムピックナショナルゴルフクラブEAST概要

[2] オリムピックナショナルゴルフクラブ公式サイト

[3] ピート・ダイ|偉大なゴルフコース設計家 – 設計コース一覧

最終更新日 2025年7月9日